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金沢市限定発売の鏡餅

お正月といえば、鏡餅。

大小のお餅の上にみかんをのせて、神棚や床の間にかざる…という、イメージですが、石川県金沢市の鏡餅は上が赤で下が白、その上に黄色いミカンと、三色で艶やかな鏡餅が一般的だそうです。

この紅白鏡餅のはじまりは江戸時代にまでさかのぼります。

当時、加賀藩領内（金沢市）の和菓子屋さんが、めでたいという理由で紅白の鏡餅を製造販売したところ爆発的なヒットを記録。その頃のブームが現在まで脈々と受け継がれて伝統となり、お餅メーカーも金沢限定で紅白の鏡餅を作っているのだそうです。

しかし、石川県でもこの風習は金沢の一部だけ。能登などは普通の白い鏡餅。

北陸の山に囲まれた加賀藩は江戸からも遠く、正月の時期は特に雪に囲まれて、人々の往来も少なかったため、金沢市だけで普及したのではないかと言われています。

このめでたい紅白のお餅はお正月だけでなく、金沢では結婚式でもお雑煮として食べられています。『落ち着きのお雑煮』と呼ばれるこの雑煮は、「赤い餅が新郎、白い餅が新婦を表し、新婦がどんな婚家にも染まるように」と、いうことから、婚家に長く落ち着くことを願って食べられるそうです。

紅白のお餅は金沢のおめでたい席には欠かせないアイテムなのですね。