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公開年月日:2016年06月01日

クレジットカード業界でも広まる、富裕層向けサービス

夕日とワイン

経済学者のヴィルフレド・パレートが発見した「パレートの法則」というものがあります。

全体の数値の大部分は、その一部が生み出しているという理論で、例えば会社の売上の8割は、2割の従業員によって生み出されているというようなものがそれに当てはまります。

ビジネスにおいても安いサービスを多くの人達に提供するより、高付加価値・高価格なサービスを一部の人達に販売した方が効率がよいと考えられます。

昨年12月、国内最大の信託銀行である三井住友信託銀行は、米シティグループからクレジットカード「ダイナースクラブ」の日本における独占発行権を取得した。同カードを運営する三井住友トラストクラブの野原幸二社長に、富裕層向けカードビジネス市場の現状について聞いた。

引用元:三井住友トラストクラブ社長「富裕層向けカードビジネスはさらに拡大するか」

顧客数が多いほど対応負荷は高くなる

個人向けのサービスを月額1万円で100人に提供する場合と、月額10万円で10人に提供する場合を考えてみてください。どちらも売上は100万円ですが、より利益を生み出すのは後者です。

月額1万円程度であれば、多くの人が支払える金額です。しかし毎月10万円となれば、年間の支払いは120万円。これを支払える人は経済的に余裕があると考えられます。

それだけのゆとりがあるなら、さらに付加価値の高い提案を行うことで、サービスをアップグレードしてくれたり、別のサービスを利用してくれたりする可能性があります。

一方で月額1万円のサービス利用者に、より付加価値の高いサービスを提案しても、料金が何倍にもなるなら控えるという人も多そうです。またサービスを提供する側の立場で考えれば、顧客数は100人よりも10人の方が対応負荷が下がります。

もちろん月額1万円と10万円では提供するサービスの内容も異なりますが、それを差し引いても、対応人数は少ない方が負担は小さくなります。このようなことはビジネスの現場で実感しました。

私が以前勤めていた会社では、あるとき低価格帯のサービスを終了しました。利用者数は多かったものの、薄利多売のサービスになっており割に合わなかったのです。サービスの月額最低料金は10倍ほどになり、利用者のサービス離れが懸念されましたが、負の影響は少なく、正しい経営判断でした。

顧客数そのものは減りましたが、サポート負荷は下がり、より付加価値の高いサービスが提供できるようになったのです。顧客満足度も高くなり、客単価は大幅に向上しました。

富裕層向けビジネスは効率がよい

私が勤めていた会社で提供していたサービスは特定の層に限定したものではありませんでしたが「高付加価値+高価格」という部分は、富裕層向けのサービスにも通じます。

このようなサービスを提供していてわかったのは、サービスの付加価値が高くなるからといって、必ずしも提供の際の負荷が上がるわけではないということです。銀行に預けている預金は、万が一に銀行が破綻したとしても、1,000万円までは預金保険制度によって守られます。いわゆるペイオフです。

富裕層ともなれば預金はこの枠を大幅に超えますが、万が一に備えて複数の銀行に分散させるのは管理上大変な手間となります。そんな富裕層向けに、5,000万円までの預金は必ず守るというサービスを提供した場合の負荷を考えてみてください。

何かあったときには大きな負担が生じますが、日常業務には負荷はかかりません。これは極端な想定かもしれませんが、価格が一般的なサービスの10倍になるからといって、必ずしも負荷が10倍になるわけではないのです。

よって富裕層向けのビジネスは効率がよいとも考えられます。もっともサービスを提供する側の信頼性が問われるので、誰もが参入できる領域ではありませんけどね。

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