公開年月日:2016年05月16日
アメックスのビジネスモデルに警鐘?大企業でも変化に柔軟でなければ生き残れない
充実したサービスで多くの人に知られているアメリカン・エキスプレス・カード。その運用会社であるアメリカン・エキスプレスが、株主で大物投資家のウォーレン・バフェット氏からビジネスモデルが脅威にさらされているとの見方を示されました。
米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェット会長とチャールズ・マンガー副会長は米クレジットカード会社、アメリカン・エキスプレス(アメックス)について、株式保有を続ける判断を確認しつつも、ビジネスモデルが脅威にさらされているとの見方を示した。
大企業だからといって永遠に安泰なわけではない
クレジットカード会社の中では不動の地位に鎮座しているように見えるアメリカン・エキスプレスですが、時代の変化に対応できていない側面があるということなのでしょうかね。
近年のニュースを見ていると、かつての輝きを失っていく国内の大手企業が多く、なんともいえない気分になってしまいます。白物家電メーカーは中国・台湾・韓国などのメーカーに市場を奪われ、東芝は巨額の赤字、シャープはついにホンハイに買収されてしまいました。
三菱自動車も度重なる不正が発覚し、予約台数を大幅に減らしており、存続が危ぶまれています。アップルの元CEO、スティーブ・ジョブズがかつて憧れの眼差しを向けていたソニーも苦戦が続いています。
もちろん時代の荒波をくぐり抜けて好業績を維持している企業もあるので、悲観的な話ばかりではありません。しかし特に日本においては少子高齢化になっており、国内需要も減少の一途です。時代の先を読み、業態を転換していかなければ大企業といえども存続は難しい時代といえます。
変化に対応できる柔軟な姿勢を持った企業は強い
ビール業界大手のキリンホールディングスは大胆な事業転換をはかり、躍進しています。
少子高齢化による人口減少、若者のビール離れでビール市場は2004年から15年まで11年連続で減少を続けている。今後も国内市場の回復が見込めないなかで、キリンビールは事業モデルの転換にカジを切った。準主力の「ラガー」は会員制SNSを活用した訴求に変更、主力の「一番搾り」に投資を集中させ全国9工場で「47都道府県の一番搾り」(5~10月)の製造発売に踏み切った。
大量生産によって単価を下げ、マス広告によって訴求するのが大企業ビジネスの王道です。しかし少子高齢化、若年層のビール離れなどから、国内においてはこのような大量消費を前提とした事業は年々難しくなってきています。
そんな中、キリンは主力の「一番搾り」に投資を集中し、準主力の「ラガー」は会員制SNSを活用した訴求に変更、2015年にクラフトビール店を開業し、1年間での集客数は26万人という好成績。
クラフトビールは自社のオンラインショップで販売し、年間40種類の新しいビール開発により新たなビール文化の創造に挑戦しています。
企業体が大きくなると、動きも鈍くなりがちですが、キリンのように先見性のあるトップがきちんと舵を切れたら、やっぱり大企業にはかなわないなって思います。やっぱり日本はすごいなって思わされるような事例が、これからもドンドンと出てきて欲しいですね。