公開年月日:2016年12月19日
アメリカでは常識?個人の信用情報が数値化されるクレジットスコア(信用偏差値)の怖さ
アメリカではクレジットカード会社の持つ個人情報が信用情報機関に集められており、それを元に信用偏差値なるものが算出されているそうです。数字には便利な側面もありますが、何もかもがそれだけで判断されてしまうのは恐ろしいですね。
私たちがクレジットカードを作るには、カード会社に申し込みを行い、その会社の審査を通過する必要がある。しかし、その審査は何を基準にしているのか、疑問に思ったことはないだろうか? カード評論家の岩田昭男氏に話を聞いた。
クレジットカード会社が持つ個人情報が人生を左右するアメリカ
アメリカで利用されている信用偏差値(クレジットスコア)には過去のカードの使用履歴、返済履歴などが含まれているそうです。クレジットスコアは、それらの情報を総合的に判断して算出されていますが、恐ろしいのはその情報があらゆる場面で、個人の判断材料として使われてしまっていることです。
例えばスコアが悪いことにより、就職できなかったり、結婚が破談になったりということがあり得ます。でもそんな重要な情報を誰でも確認できるの?というのが疑問なんですが、アメリカはできるらしいんですよ、これが。
日本でも会社や個人の連絡先を集めた「名簿」が売られていますよね。同様にアメリカではクレジットスコアが企業や個人(全員ですねw)向けに販売されているんだそうです。いや、大問題でしょう、これ…元々は金融機関の利用状況程度の位置付けだったこの情報が、個人を判断するものになっていったのだとか。って、そりゃなるでしょうよ…。
ちなみに日本でも個人信用情報と呼ばれるものがあり、クレジットカードや分割購入した携帯電話の支払い履歴、自己破産情報などが情報機関によって管理されています。この情報を閲覧できるのは、本人以外にその代理人や、金融機関に限られます。つまり、アメリカと比較すると、まだクローズドに扱われているわけです。
個人情報が数値化され、紐付けられる情報化社会の恐怖
引用元の記事によると、クレジットスコアのようなものが日本でも普及しそうな流れがあるそうです。その真意のほどはわかりませんが、いずれにしてもインターネットなどを通じて個人情報が飛び交う現代においては、簡単に情報の数値化や関連付けができてしまいます。
例えば、Facebook、Twitter、LinkedinなどのSNSから、学歴、年齢、性別、職歴、婚姻などの情報を集め、格付けを行い、発言の内容から趣味趣向、性格などの傾向値を加えるなどすれば、それだけでもある程度のクレジットスコアができてしまいます。
手作業でこのようなことを行うのは大変ですが、ビッグデータ解析の技術を使えば難しいことではありません。もしもマイナンバーにこのような情報が紐付けられたとしたら、番号を見るだけで「個人としての価値」が一瞬で判断されてしまうでしょう。
中卒で500人もの社員を抱える上場企業の社長となっている人もいますし、ある部分では平均以下でも、特定の分野では普通の人達の数倍の能力を発揮する人もいます。クレジットスコアでは、あるレベル以下でも、大きな成果を出せる人はいるのです。
クレジットスコアのようなものは一定の判断基準にはなりますし、無駄ではありませんが、これが全てになってしまうのは考えものですし、情報化社会の恐ろしさでもありますね。