公開年月日:2016年12月15日
Apple Pay自体の安全性は高いが、海外では不正利用事例が既に出ています
Apple Payはクレジットカード番号をショッピングサイトに渡さないなど、安全性が売りの1つになっていますが、先行してサービスが始まっているアメリカでは不正使用などが発生しています。転ばぬ先の杖ということで、どのような事例があるのかを学んでおきたいところです。
10月25日、日本にも待望の「Apple Pay」が開始された。Apple Payとは、クレジットカードをiPhone上に登録し、支払いをiPhone上から行える新しい決済方法だ。日本では各種クレジットカードのほか、JR東日本が提供する共通乗車カード・電子マネー「Suica」にも対応。Quick PayやiDでの支払いにも対応する。
Apple Pay自体が安全でも不正使用はある
引用元の記事によると、アメリカではApple Payの不正利用や二重請求という事例があるそうです。ただしこれらの事件は実際にはApple Pay側にはなんの問題もありません。
まずクレジットカードの事例では、他人のカードを勝手にApple Payに登録して不正使用ということがあったとのことですが、日本ではこれができるとは考えにくいです。Apple Payを利用するためには、Appleから提供されるWalletアプリにクレジットカード情報を登録(カメラアプリでクレジットカードを撮影し、セキュリティコードを入力)する必要があります。本人確認はSMSで行われるため、クレジットカードを撮影されたとしても、最終的にはカードの持ち主の認証なしではWalletに登録できません。
ところがアメリカでは、クレジットカード情報とソーシャルセキュリティーナンバー(社会保障番号)があれば認証ができるため、不正使用ができてしまうそうです。これらを同時に盗まれる、または紛失するというのは、かなり重大なことなので、認証方式が異なるアメリカでも、このような事例はそう多くはないと思われますが。
二重請求に関しては、バンク・オブ・アメリカ側のミスということで、すぐに返金が行われたそうです。こちらもApple Payがと言うよりは、銀行側の責任ですね。
完璧なサービスは存在しないと肝に銘じるべし
日本ではクレジットカードの認証方式の違いなどから、アメリカで発生した問題がそのまま多く起こるとは考えにくいです。じゃあ日本ではApple Payを使っておけば、安心・安全だね!とは言えません。
ご存知の通り、日本では、毎年オレオレ詐欺によって莫大な被害が発生しています。最近では手口が巧妙化していますが、本質的な手法は嘘をついてお金を巻き上げるというものです。クレジットカード情報と、Apple Payに登録する際の認証コードを、このような詐欺によって盗まれたら、おしまいです。
詐欺を行うような犯罪者は、最新の情報に疎く、判断力が鈍くなっている老人を狙います。まずは自分の両親や祖父母など、身近な人がこのような被害に遭わないように、周りの人達が守ってあげる必要がありますね。