公開年月日:2016年12月16日
LINEに買収されたWebPayがサービス終了。LINE Payへの一本化で金融分野の強化が狙いか
LINEは昨年買収した決済APIのWebPayの終了を発表しました。自社サービスのLINE Payに集中するためということですが、この分野は大手企業が続々と参入しており、色々な憶測が浮かんでしまいますね。
LINEはこのほど、Webサイトに組み込むクレジットカード決済API「WebPay」のサービスを来年5月末に終了すると発表した。昨年2月に買収したばかりだが、1年半余りで幕引きを決めた。「LINE Payにリソースを集中するため」としている。
買収されたサービスが終了してしまうことは珍しくない
その昔「Shake」というソフトを、Appleが買収しました(正確にはShakeの開発元であるNothing Real社を買収)。Shakeは実写とCGの合成などで利用するソフトで、同種のソフトとしてはAdobe After Effectsが有名。Shakeは直感的に操作できるということで評判も良かったのですが、Appleが手中に収めた何年か後に販売終了が発表されました。
最近ではTwitterが買収した「6秒動画」をネット上でシェアできるVineというサービスの終了が発表されました。Twitterの場合、身売りしたものの買い手がつかなかったなどというお寒いニュースも流れており、台所事情もあまり思わしく無さそうです。
このように買収されたサービスが、その後に終了したという事例は数多くあり、今回のWebPay終了の件も珍しいことではありません。
なぜいま決済サービスなのか
買収した翌年にWebPay終了というのは、少し早い気もしますが、まあ最初からサービスを終了させる計画であったのなら、早々に幕引きした方が合理的とも考えられます。WebPay側の心中とかは考えてしまいますが…
LINEによるWebPay買収が発表されたときから、ネット界隈ではLINE Payとサービスが重なるのではという声がありました。最近ではIT界の巨人Appleの決済サービスであるApple Payが日本上陸を果たしました。しかも日本だけはFelicaが使えるように特別仕様のiPhoneを用意するという力の入れようで、このサービスにかけるAppleの並々ならぬ意気込みが伝わってきます。
LINEにAppleと、なぜ大手企業が次々と決済サービスに参入しているのでしょうか。まあ単純に考えて、やはり直接お金を扱う分野というのは、利益が大きいのでしょうね。Appleは元々はパソコン販売から始まり、今でもiPhoneやApple Watchなどの機器を開発・販売していますが、オンラインで音楽、映画、アプリなども販売して莫大な利益を上げています。
企業として更なる成長を考えたときに、次の市場として金融系を選ぶのは必然と言えそうです。各社の覇権争いが激しい分野ですが、数年後には多くの会社が淘汰されていくのでしょうね。