公開年月日:2016年07月11日
カナダのウォルマートでVISAが使えなくなる!?原因は高額な加盟店手数料か
カナダのウォルマートでVISAの取り扱いが停止されるそうです。ウォルマートはアメリカが本社の世界最大級のスーパーマーケットチェーン。
VISAの加盟店手数料に関して交渉していたそうですが、折り合わず、ついには取り扱い停止となったそうです。こういった駆け引きは大変難しいですね。
カナダのウォルマートが7月17日をもって、Visaクレジットカードの取扱いを停止することをWebサイト上で発表した。「より低価格の商品とサービスを消費者に提供する」というウォルマートの事業方針と、Visaが加盟店に課する「法外な手数料」が真っ向から対立。両社間で長期にわたり交渉が続いていたが、Visa側のかたくなな主張にウォルマートがとうとうしびれを切らした結果だ。この決別によってカナダの360店舗のウォルマートで、Visaカードが使えなくなる。
クレジットカードは便利だけど店側の負担は気になる
現金不要で利用できるクレジットカードはとても便利ですよね。私も最近は様々な支払いを極力クレジットカードか電子マネーなどで行っています。
しかしクレジットカードは利用者側にとっての利点は大きいものの、取り扱う側のお店は加盟店としての手数料などがあり、負担となります。
お店にとってのマイナスは、カードが使えないことなのか、もしくはカードを使えるようにすることで利益が目減りしてしまうことなのか、悩ましいところです。
利益を巡る駆け引きの難しさ
ウォルマートぐらいの規模になれば、カードを使えなくすることは常識的には考えられません。にも関わらず、VISAのような大手のクレジットカードの取り扱いを停止するということは、何か余程の理由があると考えるのが普通です。
ただどちらが利益を取ろうとしているか、すなわち、VISAが法外な手数料を要求しているのか、はたまたウォルマートが大幅な値下げを要求しているのかは関係者でないとわかりません。
私も営業経験があるので価格設定などに関しての難しさはよくわかります。営業畑一筋の先輩に口酸っぱく言われていたのは「値下げはいつでもできる。値下げで客を取るのは営業ではない。」ということです。
確かに購入する側は安ければ安いほどよいわけですが、当然ながら値下げをすれば利益が削られます。
決算発表で「売上増・利益減」などという言葉を耳にしたことがあると思います。
例えば、テレビCMや新聞広告などをバンバン使えば、購入者が増えて売上を伸ばすことは期待できますが、利益からは広告費が差し引かれます。結果として昨年度よりも売上は伸びたけど、利益は下がったということになります。
売上よりも利益の方が重要なことは言うまでもありませんが、ある期だけを見ても真価は判断できません。来期により多くの利益を生むための種まきの期かもしれませんからね。
今回のVISAとウォルマートぐらいの規模の交渉となれば、手数料の話だけではなく、他に何か有利な条件を提示したりということも考えられるわけですが、それでも決裂したというのは穏やかではありません。ビジネスの世界は厳しいです。