公開年月日:2016年10月31日
マスターカードとの協力でデジタル都市に生まれ変わろうとする都市、シカゴに注目
かつて工業で栄え、アメリカ第二の都市だった歴史を持つシカゴですが、デジタル化においては遅れをとっているようで、巻き返しをはかるべく、マスターカードとタッグを組んで「生きたハブ」になることを目指すそうです。
でもこれは日本にとっても他人事ではなく、早急に大転換を行う必要に迫られています。
米イリノイ州のシカゴが国際大手クレジット会社、マスターカードと非営利国際事業促進機関、グローバル・シティーズ・ビジネス・アライアンス(GCBA)の協力のもと、「デジタル都市」に生まれ変わる。転送ネットワークから公共事業まで多様な分野におけるサービス改善を試みると同時に、生活の質の向上に役立つ「革命」が生まれやすい環境に整えていくことを目指す。
シカゴはハブとして不動の位置を確保したシンガポールに続けるのか
テクノロジーの進化に追いつけず、様々な問題が発生しているというシカゴは、技術と国際市場に精通したマスターカードの力を借りて、シカゴを「生きたハブ」に創り変えることを決断したそうです。
その具体的な内容については、まだまだ計画中のようですが、ハブと聞いて思い出すのが、シンガポールの事例です。国土も狭く、天然資源も乏しいシンガポールは、経済的な発展を国家的な目標に掲げて取り組んできたことが実を結び、いまやアジアの中心地として、また欧米からアジアへ進出する際のハブとして確固たる地位を築いています。
その発展の様はNHKでも特集されました。番組名は「株式会社シンガポール(後株だったかもしれないです。うろ覚えですいません…)」で、経済を重視してきたことを端的に表していました。数年前のことで記憶が定かではありませんが、歴史の長い国にありがちな政治の腐敗構造ができていない印象で、若く優秀な人が合理的で公平なシステムを運営しているようでした。
国のトップが強いリーダーシップを発揮したことで、大躍進を遂げたんですね。もちろん、良いことばかりではないようですが、アジアの小国を国際的な競争力の強い国として、ここまで発展させたことは賞賛に値しますね。
人口が激減する日本も大転換を迫られている
シカゴもうまくいくといいですね、などと他人事のように言っている余裕は今の日本にはありません。これまで度々書いていますが、日本は50年後には人口が8000万人にまで減少すると予想されています。現在の人口から実に4500万人も減るのです。
当然ながら経済力は衰えますし、いま当たり前のように提供されているサービスが今後はなくなる可能性もあり、現段階で過疎地域などと言われている場所は、自治体そのものがなくなってしまう可能性すらあります。
日本も次の50年を見据えて、大転換をはかる必要に迫られています。国でなければできないこともありますが、仕事や住居のことなど、自分にできることは自らが考えて行動しなくてはいけませんね。