公開年月日:2016年03月17日
デルタ航空が羽田の発着枠を巡って成田路線を全廃する可能性?
羽田の国際線発着枠が増えることでデルタ航空が成田から米国を結ぶ7便を廃止する可能性があると報じられています。
デルタ航空(DL)は、来月9日に再開される羽田空港の昼間時間帯発着枠を巡る日米航空交渉の行方に危機感を強めている。同社は「日米が交渉している枠組みが決まれば、我々は米国と成田空港を結ぶ7路線すべてから撤退せざるを得なくなる」とコメント。
羽田の発着枠を巡って成田から撤退?どういうことなのでしょうか。
まず発着枠とはなにか?
「この空港から1日何便離陸できる・着陸できる」という枠のことを発着枠と呼びます。今回羽田空港はインフラを拡充したので発着枠が増えました。そこで空港的には「新しい枠はどの航空会社に使ってもらおうか?」と考えます(実際、最後は国レベルの話になりますが)。首都圏から最も近い空港の国際線発着枠なので、どの航空会社もこの枠は喉から手が出るほどほしいわけです。
羽田発着枠を思惑通りに増やせなかったデルタ。中途半端な状況に
デルタ航空は今回の増枠に絡んで成田からの撤退を視野にいれて交渉してます。なぜなら同社は成田空港からニューヨーク、ロサンゼルスなど米国本土7路線の他、アジア地域や太平洋諸国・地域にも就航便をもつ、成田空港を拠点(ハブ空港)としている航空会社なのです。ここで羽田空港の発着枠が増えてしまうと、同社の成田発着便の利用客が減り採算が取れなくなるのを懸念しているのです。
当初は、羽田空港の発着枠をたくさんゲットして羽田を拠点にすることも考えていました。しかし、思惑通りに割り当てられず、このままだと羽田の拠点化も難しい、成田の利用客も減る、うーん、それなら成田から撤退して中国に移転しちゃう??といった感じです。実際のところ本当に撤退するのか交渉のパフォーマンスなのかは不明ですがそんな感じです。
同社は、「羽田の完全な開放or現状維持での羽田と成田を運用してほしい」と主張してます。このまま羽田が活発化すると成田からデルタが消えてしまうのでしょうか。
JAL、ANAと提携しているアメリカ航空会社は順当に発着枠確保。
デルタと同じアメリカの航空会社のアメリカン航空とユナイテッド航空は、それぞれ日本航空(JAL)と全日空(ANA)と提携しているため、今回の発着枠はコードシェア便を含めて順当に割り当てられたそうです。アライアンスってこういうところで効果を発揮するんですね。日系航空会社とアライアンスパートナーのいない会社は不利ですね。