公開年月日:2016年04月25日
ソーシャルゲームで68万円課金!?話題のガチャ課金は自主規制へ
スマートフォン用の人気ゲーム「グランブルーファンタジー」にはまり、貴重なキャラクターを手に入れるため、68万円もの大金をつぎ込んでしまったプレイヤーがその模様をネットで配信。
これが発端となり、ゲームを提供する会社は謝罪、国内のスマートフォン向けゲームの開発各社の株価が急落するという事態にまで発展してしまいました。
2015年の年の瀬。スマートフォンゲーム「グランブルーファンタジー」の新しい広告がテレビや雑誌をにぎわせていた。(中略)動画サイト上のコメントはあざけりから哀れみに変わり、クレジットカード会社から使用を止められるのではないかとの指摘もみられた。しかしタステ氏はその後も続行。16年1月1日の午前3時頃、2276回目の挑戦でついにアンチラが出現した。観客は興奮状態となった。最終的に同氏は68万2800円を使っていた。
過去にも問題となったソーシャルゲームの「ガチャ」
ソーシャルゲームなどでは、滅多に出現しない貴重なキャラクターのことを「レアキャラ」などと呼びます。今回の物議の発端になったサイゲームスの人気ソーシャルゲーム「グランブルーファンタジー」にもこのようなレアキャラが存在します。
サイゲームスが実施したキャンペーン期間中、通常は出現率が3%のレアキャラが、倍の確率で現れるとのことで、多くの人が新規にゲームをダウンロード。キャンペーンは大成功しました。 しかしあるユーザーが、レアキャラ欲しさに68万円を超える大金をつぎ込み、またその模様をネットで同時配信したことから、反響を呼ぶ結果となりました。
ソーシャルゲームにおいては、過去にも希少なアイテムなどを入手するために、複数の特定アイテムをすべて揃える必要がある「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」の仕組みが高額課金の原因になっているとして問題視されました。
消費者庁からも景品表示法違反であるとの見解が示され、この手法は使われなくなりました。 しかしこのときに規制の対象になったのはコンプガチャのみで、通常のガチャ(アイテムを購入するまで中身がわからない)の仕組みはまだ残っているのです。
なぜゲームにこのような大金を使ってしまうのか
なぜスマートフォン向けのゲームにそのような大金を使うのかが理解できませんよね。 ソーシャルゲームには「アイテム課金」という仕組みがあり、ゲーム内でお金を払わないと購入できないアイテムがあります。支払いはクレジットカードです。
基本的には無料で遊べるソーシャルゲームですが、より短い時間でゲームを先にすすめるためには有料のアイテムが必要になります。 引用元の記事によると、8割のユーザーは無料でゲームを楽しむようです。しかし残りの2割の中に極端にはまってしまうユーザーがいるのです。その中には未成年も含まれます。
ゲーム会社もビジネスなので、全員が無料でゲームを楽しんでいたら大赤字です。少しでも多くの人にお金を使ってもらえるように、裏側ではビックデータを高度な技術で解析し、驚くほど緻密な手法で仕組みを作っています。 このあたりのことは元DeNAの社員が書いた「ソーシャルゲームだけがなぜ儲かるのか」に詳しく書かれています。
高額課金の原因になる「ガチャ」は自主規制の方向
グランブルーファンタジーの件で再びソーシャルゲーム業界に厳しい目が向けられる中、業界団体は自主規制に乗り出しました。
スマホ向けソーシャルゲームで高額な課金が問題になっている有料くじの「ガチャ」について、業界団体「日本オンラインゲーム協会」は24日、課金上限額を5万円とし、当たりの確率を明示することなどを柱とした自主規制をまとめた。加盟社だけでなく、主要なソーシャルゲーム事業者が参加するモバイル・コンテンツ・フォーラムにも順守を求める。
ソーシャルゲームに悪いイメージが付いてしまうと、ゲームを運営する企業の株価にも良くない影響が出てしまうでしょうから、業界としては信頼回復のために必死になるのは当然でしょう。 ゲーム自体は悪いものではありませんが、何事もほどほどにということですね。