公開年月日:2016年06月13日
誰にでもできるクレジットカードの不正利用対策とは?
国内外で磁気式クレジットカードの情報が不正に取得・利用される事件が相次いで発生しています。
クレジットカードやカード決済端末のIC化などが有効な対策で、国も義務化することを発表しました。IC化されたカードでは、情報の不正取得がほぼ不可能とされています。
しかしIC化によって完全な安全性が約束されるわけではなく、利用者側にも万が一に備えた対策が必要です。
経済産業省は26日に開かれた有識者委員会で、偽造カードなどによるクレジットカードの不正使用の防止策を講じるよう事業者に義務付ける方針を正式に明らかにした。カード決済端末のIC化や、インターネット取引でパスワードを入力しないと買い物ができない「3Dセキュア」(本人認証)の導入などを求める。割賦販売法を改正し早ければ2018年から実施する。
インバウンド需要を期待する日本にとって、急がれるカードの不正利用対策
少子高齢化が進む日本において、近年は外国人観光客が及ぼす経済効果に期待が集まっています。いわゆるインバウンド需要です。幸い訪日外国人の数は、予想を遥かに上回る勢いで増加しています。
海外でお金を使う際に面倒になるのが両替。両替を行う場所によって手数料が結構違うし、余って持ち帰っても自国では使えないので、無駄なく使い切るためにどの程度の金額を両替しておけばよいかなど、色々と考えてしまいます。
そんなときに便利なのがクレジットカードです。クレジットカードなら両替なしでほとんどの国で使えます。
訪日外国人にとっても、様々な場面でクレジットカードが利用できれば便利に違いありません。
カードの不正利用が多いからといって、利用を制限してしまったら外国人達の足が遠のいてしまいかねません。
クレジットカードが安心して利用できる環境を整えることは、国としての必須課題です。
不正はなくならないと考えて、万が一の事後に備える
不正利用とその対策はイタチごっこです。安全性を高めたシステムを構築しても、やがて弱点を見つけられて不正利用の原因になるということが繰り返されています。
完璧な安全性は期待できないと考えた場合、選択肢はクレジットカードを持たないか、万が一の事態に備えるかのいずれかになります。
海外には行ったことがなく、今後も行く予定がない、現金主義でクレジットカードは必要ないなどという人は、クレジットカードを持たないという選択肢になるでしょう。
しかし今時はほとんどの人が海外にも行くし、キャッシュレス化も進んでおり、カードはなくて良いといえる人は極めて少ないでしょう。
では万が一にカードを不正利用された場合に有効な事後対応とはどのようなものでしょうか。
私がおすすめするのは、毎月のカード利用明細を確認することと、自身のクレジットカード会社の連絡先をスマホや手帳などに控えておくことです。
利用明細を確認することで身に覚えのない不審なカード利用に気付けます。不正利用の巧妙な手口として、少額を不特定多数の人から奪い取るというものがあります。
10万円を超えるような大きな使用の場合、すぐに気付かれてしまいますが、500円以下程度の小さな金額であれば気に留めない人も多いでしょう。しかし犯罪者にとっては、塵も積もれば山となるというわけです。
毎月きちんと明細を確認していれば、身に覚えのないカード利用にはすぐに気付けるので、いち早く不正利用を止められます。
ほとんどのクレジットカード会社では、カードが不正利用されてから60日以内に連絡をすれば不正に利用された分の金額が補償してもらえます。毎月、明細の内容を確認し、すぐに不正利用に気が付けば大丈夫です。
財布を盗まれたり、落としたりして、クレジットカードを紛失したといった場合はカードが不正利用される前に早急に利用を停止しなくてはいけません。
そのような場合に備えて、クレジットカード会社の連絡先は、スマホのメモ帳アプリなどに控えておくのがおすすめです。
便利なものほど無くしたときの被害は大きいですからね。転ばぬ先の杖ということで、対策をしておきましょう。