公開年月日:2016年04月19日
クレジットカードの安全性を高めるためのIC対応は義務化へ
経済産業省がクレジットカードのIC対応を義務化の方向で検討しているそうです。
カードの安全性が高まるのは喜ばしいことですが、利用者が注意を怠ってはいけないことはこれまでと変わりません。
経済産業省がクレジットカードのIC対応の義務化を検討
SankeiBizによると、経済産業省は2020年3月までに国内で発行されるクレジットカードや決済端末をすべてIC対応にすることを目標にしているそうです。
経済産業省が、偽造カードを用いるなどしたクレジットカードの不正使用を防ぐ対策を事業者に義務付ける方向で検討していることが8日、分かった。2020年3月までに国内発行カードや決済端末を全てIC対応にする目標を掲げ、カード会社や小売店などの加盟店に導入を急がせる。
金国が直接対応に乗り出すには、それなりの理由があります。記事によると国内で発行されたクレジットカードの不正使用による被害は2015年に120億円にまで達しているそうで、3年前と比べて1.8倍にまで増えているのだそうです。犯罪者の資金源にもなっていると言われており、国としては黙っていられないわけですね。
クレジットカードがIC対応されるとなにがよいのか
クレジットカードの安全管理については厳しい規則がある一方で、不正使用に関しては法整備が間に合っていないそうです。問題の1つとしてクレジットカードの偽造が挙げられていますが、対象となっているのはIC化されていない磁気カードです。
クレジットカードがIC化されていれば、現在の技術では偽造はほぼ不可能とされています。磁気カードは偽造されやすいことに加えて、安全性の高いIC対応の決済端末が使えないという欠点があります。
先般もIC対応していない決済端末がウイルスに感染してしまい、情報が流出したことがニュースになりました。磁気カードが流通している限り、このような被害が発生する可能性があるのです。クレジットカードをIC対応させるだけで、偽造などの犯罪を防げるのなら、国としては義務化を検討しますよね。
カードの安全性が高まっても取り扱いには注意しましょう
クレジットカードや電子マネー、ポイントなど、いわゆる「キャッシュレス化」が進んでいます。インターネットを使ったサービスとの連携も盛んで、スマートフォンやタブレット端末にアプリを入れれば、カードの利用状況がすぐにわかったり、複数の金融情報をまとめて管理できたりと、利便性は高まるばかりです。
クレジットカードがIC対応することで、物理的なカードの偽造や店頭で利用した際の情報流出は防げるようになるかもしれません。しかしインターネットショッピングなどでは不正に巻き込まれる可能性があります。
例えばフィッシングサイトに誘導してクレジットカード番号を入力させるような手口に対しては、ICは無力です。ウェブサイトに誘導して情報入力を促すようなメールのリンクはクリックしない、怪しいウェブサイトは閲覧しない、毎月のカード利用明細は必ず確認するなど、普段から安全面への注意を怠らないことが重要です。