公開年月日:2016年10月25日
iPhoneのおサイフケータイ化により、クレジットカード保有率も若者の購買意欲も上がる?
日本ではインターネットに慣れ親しんで育った20代のクレジットカード保有率が低いという調査結果があります。
しかしiPhoneでクレジットカードや電子マネーが利用できるようになることで、若年層のカード保有率・利用率が向上するかもしれません。
Apple Payが日本でも10月からサービス開始になることが発表された。しかし、普及はまったく未知数だ。読者の中にも「クレジットカードがiPhoneに入ってもさほど便利な感じがしない」と思っている人は多いのではないだろうか。日本と米国ではクレジットカードの使われ方がまったく異なっている。米国ではApple Payはなくてはならないほど便利なサービスだが、日本ではさほど利便性が光らない。そこをわかっているアップルは、日本でのみFeliCa、つまりSuicaなどの交通系カードに対応するという異例の施策を打ってきた。
クレジットカード保有率が低い20代
私が大学生のときにはネットどころかパソコンすらなかったことは以前にも書きました。スマートフォンなんて完全に未来の道具なわけですが、これが登場からまだ10年程度しか経っていないなんて信じられませんね。ということも先日書いたような気がしますが大目にみてください(笑)
そんなシニアな世代とは違い、現在の20代はスマホネイティブともいわれています。スマートフォンが登場したばかりの頃は、若年層は当たり前のようにパソコンを使いこなすデジタルネイティブなどと呼ばれていましたが、いまは大学でパソコンの使い方を学ばせたりするそうです。
スマートフォンは電話機能が付いているため「Phone(電話)」といわれますが、もはや電話以外の機能の方が圧倒的に多く、小さなパソコンのようなものです。慣れてしまえば長文の入力も片手でできるし、最近では音声入力も実用レベルになっています。
しかしスマートフォンやネットとの親和性が高い若年層のクレジットカード保有率が低いということがJCBの調査結果で明らかになっています。
JCB、「クレジットカードに関する総合調査」2015年度の調査結果を発表
ネットショッピングの支払いはコンビニ払いや代金引換でも行えますが、クレジットカードのような簡便さはありません。気軽に買い物という感覚ではないように思えます。
iPhone7のおサイフケータイ化で若者の購買意欲が上がる?
iPhoneが登場する前から日本ではおサイフケータイによる決済が普及していました。その理由の1つには支払いの簡便さが考えられます。その後iPhoneを始めとするスマートフォンが爆発的に普及したのは、その利便性を凌ぐだけの魅力があったからといえます。
おサイフケータイとスマートフォンの両方の機能が手放せないという人の中には、2台持ち(ガラケーとスマートフォンを所有する)をする人もいましたが、今ではそう多くない印象を受けます。完全にスマートフォンに軍配が上がった感じですね。
よく考えると初めて使う携帯電話がスマートフォンだった世代は、おサイフケータイ(ガラケー)の存在を知らず、その利便性も経験していません。iPhone7のおサイフケータイ化は、スマートフォン以前の携帯電話を知る世代には「やっときた機能」かもしれませんが、若年層には「初めての経験」なのです。
かつて初めておサイフケータイを経験した世代と同じく、現在の20代がiPhone7で決済できることに新鮮な驚きを持ち、好意的に受け止められれば、クレジットカード保有率が上がり、購買意欲が上がるなんてことにもなるかもしれませんね。