公開年月日:2016年10月11日
なぜ日本だけ独自仕様のiPhone7に?Appleの思惑を探る
ついにiPhoneがおサイフケータイに!iPhoneがあれば電車やコンビニ、飲食店にネットショップでの支払いまで可能になります。日本にはiPhone登場前からあった機能なんですけどね。アップルはiPhoneを日本のみの独自仕様に変更して導入するという力の入れようですが、そこには苦しい台所事情も見え隠れします。
iPhone 7 / iPhone 7 Plus と、アップルウォッチの新型 Apple Watch Series 2 は日本発のFeliCa規格に対応します。8日のスペシャルイベントでは、プレゼン中に時間を割いて「日本のNFC」FeliCaに対応すること、日本国内でApple Payがスタートすることを説明。グローバル向けのイベントで日本の話がピックアップされることはあまりありません。現時点で分かっていることは、Suica が使えること、Apple Payの支払いに登録したクレジットカードからiPhone上で直接Suicaのチャージができること、QUICPay や iD が使えること。
引用元:速報:iPhoneが Suicaなどおサイフケータイ対応。FeliCaを搭載、10月開始予定 – Engadget Japanese
ついにiPhoneがおサイフケータイになる
年を追うごとに完成度があがり、満足度も行き着くところまで来た感の強いiPhoneが、唯一他社のスマートフォンに劣っていた点といっても過言でないのが、いわゆる「おサイフケータイ」の機能。
おサイフケータイのためだけに他社スマートフォンを併用するというiPhone利用者がいるぐらい、欲しい人にはたまらないものだったわけですね。
この機能を実現するために必須となるNFC(Near Field Communication)規格には複数の種類があり、ヨーロッパではTypeAが交通系カードとして普及しています。一方、日本ではSonyの独自規格であるFeliCaが、Suicaや電子マネーなどで利用されています。
関東圏の電車は、通勤時間帯ともなれば毎日身動きも取れないぐらいの人達でごった返しますが、これだけの人数が改札を円滑に通るために、Suicaのような非接触カードには高い処理能力が要求されます。これに対応できるのが、FeliCaだったんですね。
Apple Payと通勤ラッシュの奇妙な関係、日本のSuicaは要求仕様が厳しすぎる?:モバイル決済最前線
引用元:Apple Payと通勤ラッシュの奇妙な関係、日本のSuicaは要求仕様が厳しすぎる?:モバイル決済最前線 – Engadget Japanese
そのような事情があったにせよ、まさかAppleがこの独自仕様のために日本向けのiPhoneを用意したことに、多くの人が驚いたのではないでしょうか。
あっという間に終わった中国との蜜月からの日本への積極投資
iPhone 3Gが登場したとき、当時すでにおサイフケータイの機能を持ち、ハードウェアとしての性能の高いガラケーが支配していた日本では、こんな性能の低い携帯電話が売れるわけはないと一笑する人もいました。
その後、iPhoneは着実に進化していきました。性能が向上する過程においては、より使い勝手のよい最新機種を求める傾向が強かったものの、さすにがiPhone6ぐらいで成熟度が高くなり、翌年のiPhone6sで搭載された新機能にはそれほど魅力を感じませんでした。
これまで携帯キャリアの2年縛りに合わせて、2年ごとにiPhoneを買い換えていた私も、現在のiPhone6から、最新のiPhone7に買い換える予定はありません。
売上に陰りが見え始めたiPhoneですが、中国で販売するや爆発的に売れて、Appleも大きな利益を上げました。ところが強引に自国の利益を守る中国では、iPhone6が中国のスマートフォンとデザインが酷似しているという理由で裁判となり、Appleがまさかの敗訴。
通信制限によってGoogleやFacebookも使えない国ですから、裁判の結果を聞いてもあり得るかなと思えてしまいます。そんなわけで中国で冷水を浴びた形のAppleが、iPhone利用者の多い日本に配慮したのは、そのような事情も見え隠れします。理由はどうあれ、日本の利用者は歓喜ですね(笑)