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公開年月日:2016年09月15日

楽天カード急成長の理由は自動化と独自の経済圏

PCを操作する笑顔の人

楽天カードが急成長しています。取扱高は業界2位のクレディセゾンに迫る勢い。その裏には自動化などの経営努力があります。また楽天市場、楽天トラベル、さらには実店舗との提携など、ポイントを有効活用できる場面が多いのも強みといえそうです。

クレジットカードの取扱高において、前年同期比20%超の成長を見せている楽天カード。業界全体の取扱高の伸びが5~8%程度に留まる中、何がその成長力の源泉となっているのか、経営トップに聞いた。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久)

引用元:楽天カードが他社の倍以上も急成長している理由 穂坂雅之・楽天カード社長インタビュー|『週刊ダイヤモンド』特別レポート|ダイヤモンド・オンライン

大規模ビジネスにおける自動化・効率化の重要性

私はIT系企業に10年ほど勤めていました。毎月費用をいただいてサービスを提供するビジネスで、いわゆるウェブサービスの部類です。このようなサービスは広く多くの人達を対象にしたものが多く、薄利多売のものが多いです。そこで利益を出すためには、無駄な業務を徹底的に排除し、費用を抑える必要があります。

例えばオンライン登録のような機能は、システムを導入して自動化することによって人為的な作業が減るので、その分の費用が抑えられ、登録後すぐにサービスを利用できることが顧客満足度にもつながります。オンライン登録なのに利用できるまでに数日かかったりするようでは、利用者は自動化している競合他社に流れていってしまい、機会損失にもなります。

楽天は審査の部分をペーパーレス化・自動化することで、効率を上げているそうですが、確かに審査基準がはっきりしているようなら、オンライン申請できるシステムを作るだけでよいはずです。

私も会社を退職した後で楽天カードに入会しましたが、オンラインで申し込みを行った後、1週間後には手元にカードが届いており、その早さに驚きました。いまだに大手ショッピングモールなどに行くと、カード登録をすすめる人達が一生懸命にお客さんを呼び込んでいます。

世の中まだまだインターネットに精通していない人は多いですし、このような方法を使えばネットでは届かない人達を囲い込めるという考えがあるのだと思います。オンライン入会の場合は自分自身で契約する意志がなければ、申し込んでもらえませんからね。

ただ楽天を見ているとテレビCMも多く流してネットよりもテレビなどの従来のメディアと親和性の高い人達に呼びかけて、ウェブに誘導しているように見受けられます。効率化のためにネットしか使わないのではなく、テレビCMによってより広範囲に訴求しているところも、登録者を増やすための戦略と言えそうです。

独自の経済圏を持つ楽天の強み

楽天は、楽天市場、楽天トラベル、提携店舗など、カードで貯めたポイントを使える場面が多く、また楽天グループ内でカードを使えば、貯めたポイントをまた利用できるという好循環があります。

私は楽天カードを作るまではネット通販といえばAmazonを使っていました。しかし楽天カードの利用で貯まったポイントが楽天市場で有効活用できるため、最近では楽天市場を使う機会も増えています。出張のときには、楽天トラベルを利用すればそちらでもポイントが利用できます。なんだか楽天の回し者のような記事になってきましたね(笑)

カードの取扱高が増えているのは、もちろんその部門の努力によるところが大きいのでしょうが、自社グループ内でうまくお客さんを回遊させる経済圏を構築している楽天の総合力というのも少なからず効果的に働いているでしょう。グローバル展開では苦戦している楽天ですが、外資系企業ばかりに押されてしまうのは日本人としてはちょっと寂しさを感じます。カード以外の分野でも頑張って欲しいですね。

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