公開年月日:2016年07月21日
あなた好みの広告は偶然じゃない!ネット時代は個人の膨大な情報が利用される
クレディセゾンが自社のクレジットカード会員データを匿名化して広告配信に利用するそうです。いわゆるビッグデータの活用ですね。
IT業界では何年も前から、これからはビッグデータの時代だなどと言われています。有効活用している企業はこれによって大きな利益を得ています。
クレディセゾンは7月から、自社のクレジットカード会員データを用いた広告配信を本格化させる。同社が持つ3500万人のカード会員データやカード決済データなどを匿名処理した上で、外部の広告ネットワークへの広告配信に活用する。そうして、自社のカード利用の促進や、金融商品の申し込み増加につなげたい考えだ。
匿名化されても価値のあるビッグデータ
これまでは、例えば数千万人が利用するサービスにおいて、利用者の属性(年齢、性別、年収など)や利用傾向を収集したとしても、データの量が膨大すぎるため、解析して法則性を見つけることは極めて困難でした。
しかし近年はハードウェアの性能が飛躍的に向上し、解析技術なども確立されてきたことから、そのような巨大なデータ(ビッグデータ)が大きな価値を持つようになり、様々な分野で活用されています。
私の最近のお気に入りに「ウンログ」というアプリがあります。このアプリを使って排尿や排便の頻度や状態を記録します。
排泄などというと汚いイメージを持たれそうですが、人間が生きていく上では欠かせない行為です。可愛い女子は胃の中で食べ物が消滅するなどということはありません。
ウンログは利用者の9割が女性とのこと。便秘に悩む女性は多いといいますよね。情報を可視化するのはこのような悩みを解決する上でも重要です。
でも無料アプリのウンログは一体どこで収益化しているのでしょうか。開発者のインタビュー記事を読んだところ、利用履歴をヘルスケアデータとして、そのような情報を必要とする企業に販売しているのだそうです。ビッグデータの活用ですね。ビッグベンではありません。
ビッグデータ活用のわかりやすい成功事例がソーシャルゲーム
このようにビッグデータは様々な場面で利用されています。その活用事例として、非常に派手で直接的に大きな効果を挙げているものがソーシャルゲームです。
ファミコンやプレステという従来のゲーム端末は、ゲームの内容を後から変更することは不可能でしたが、ソーシャルゲームにはそれができます。
通勤の30分程度の時間で倒せそうで倒せない敵を作り出し、すぐにそこをクリアするために必要なアイテムを購入できるように仕向けます。これ以上は時間の無駄だから、100円でアイテムを購入してゲームを先に進めようなどということになります。
利用者にはわかりませんが、これはソーシャルゲームの運営会社がビッグデータを分析して、ゲームを最適化しているのです。
このようなことが可能になるのはそれ以外の部分での大きな技術革新もあってのことですが、ビッグデータが重要であることは間違いありません。
クレディセゾンはビッグデータを広告に活用するとのことなので、例えば毎月30万円程度をカード決済しているゴルフ好きな男性に向けて、そのような属性の人が好む商品の広告を配信するというようなことを行うんでしょうね。
特にネットの広告は仕組みを知らない人は偶然のように思うかもしれませんが、実際には様々な方法で分析されて、あなた用に最適化された広告が配信されているということを覚えておきましょう。