公開年月日:2016年10月03日
クレジットカードや電子マネーの導入を渋るタクシーは、新興サービスに市場を奪われる
クレジットカードなどキャッシュレス決済が広まってきていますが、未だにタクシーではカードが使いづらい印象があります。一体なぜでしょうか。一方でUberのようなカード決済ありきのサービスが海外で勢力を伸ばしており、日本でも規制緩和によって参入が認められれば、市場を奪われていってしまいそうです。
個人タクシーなんかじゃまだまだ使えないSuica(スイカ)など電子マネーでの決済。先日、乗ったついでにふとタクシー運転手さんに聞いてみました。
引用元:なぜ個人タクシーではSuicaやクレジットカードが使えないのか? – 自動車コラム – carview! – 自動車
電子マネーやカード決済はタクシー側の負担が大きい
タクシーではクレジットカードが使いにくい印象があります。その理由は大きく2つ。1つはクレジットカード決済をするための機器が高額であること、もう1つは換金が煩わしいことだそうです。
タクシー会社はクレジットカードに対応していることもあるそうですが、個人タクシーでは金銭的な負担が大きいため、導入を見送る場合が多いとのこと。タクシーのメーターなど、既存のシステムとの連動などが容易ではないため、どうしても高額になってしまうそうです。
直接お金に関わるシステムは、信頼性が問われます。銀行ATMのシステム開発なんて何千億という世界ですし、そこまででは無いにしても、タクシーにカード決済システムを導入するために、ある程度の費用がかかるのは理解できます。ただ昨今は新しいサービスが登場しており、対応は待った無しと言えそうな情勢です。
既存の慣習に囚われていると新しいサービスに市場を奪われてしまう
厳しい話ですがビジネスにおいて重要なのは「顧客目線」です。サービスを提供する側の事情は利用者には関係ありません。カーナビはその一例で、いまやスマホやタブレットの無料アプリをカーナビ代わりにする人達が増えています。
スマホが登場したばかりの頃は、GPSの精度もそれほどよくありませんでしたが、現在ではアプリの能力も格段に進歩し、通信網も増強されて実用レベルになっています。アプリは地図情報もすぐに更新されるので、情報がすぐに陳腐化してしまう従来のカーナビよりも優れています。
タクシー業界で脅威になっているのがUber(ウーバー)です。Uberはアプリを通じて利用可能なサービスで、一般の人が自家用車で利用者を目的地に送り届けます。
事前にクレジットカード情報を登録しておくため、車に乗り降りする場でお金のやり取りは発生しません。日本では白タク行為にあたるとしてサービスが中止されましたが、諸外国では勢力を拡大しており、将来は規制緩和によって再開される可能性もあります。
一般の人達同士を結びつけるこのようなサービスで、事故があった場合に誰が責任を取るのかなど、新興サービスにはグレーな部分も多いですし、これによって既存のタクシーが無くなるとは考えにくいです。
しかし海外で利用者が増加していることからも、Uberのようなサービスが利用者に受け入れられていることは明らかで、古い考え方に凝り固まってしまうと、あっという間に市場を奪われてしまいそうです。他の業界でも同じことが言えるため、常に最新サービスの動向を知るようにしておくことが重要ですね。