公開年月日:2016年05月10日
自動車業界でも進むキャッシュレス化。行き着く先は無人化か?
「電気自動車」「自動運転車」など、話題が途切れることのない自動車業界ですが、今度は決済サービス大手のVisaが、クレジットカードなしで給油や駐車などの決済ができる車載器を広めていくと発表しています。普及すればさらに車の利便性が向上しそうです。
決済サービスの大手ビザ・インク(Visa)は、クレジットカードを端末に通すことなく、車載機だけで給油や駐車などの決済を済ませられるVisaトークンサービスの提供を自動車業界に広めていくと発表した。
若年層を中心に進む車離れ
バブル絶頂期は金利も右肩上がりで、当時は郵便貯金にお金を預けておけば、なんと7年程度で預金が倍増!という今では考えられないような高金利でした。
うちの実家は自営業で、父親は「お金が欲しければ、その分だけ働けばいい」と豪語しておりましたが、実際そういう時代だったんですね。そんなバブル時代は車がステータス・シンボルにもなっており「いつかはクラウン」などという名キャッチコピーも生まれました。
しかし現在は若年層を中心に車離れが進んでいます。昭和世代は高校か大学のときに運転免許証を取得する人が多かったと思いますが、現在は免許を持っていない人も珍しくありません。
いまは都市圏であれば車がなくても生活に困りません。一人で運べないような大型家具や家電も、ネット通販で注文すれば自宅まで届けてもらえるし、格安航空サービスや深夜バスなどによって遠方への移動も簡単にできるようになりました。価値観も多様化し、車はもはや必需品ではなくなってきています。
自動運転、人工知能、キャッシュレスの先は無人?
車離れが進む中、魅力的な製品を投入すれば、まだこんなにも売れるぞということを示したのが電気自動車メーカーとして快進撃を続けるテスラモーターズです。予約だけで1.5兆円超えという、途方も無い数字になってます。
米電気自動車(EV)メーカーのテスラモーターズは7日、新たに発表した小型セダン「モデル3」の予約が受け付け開始以降、32万5,000台を超えたと発表した。同社のイーロン・マスクCEOはツイッターで、予約分による売上高は、およそ140億ドル(約1兆5,210億円)に上るとの見通しを明らかにした。
「電気で走る=エコ」なイメージが強いんでしょうかね。トヨタもプリウスの売れ行きは好調ですし。車で発電した電気を家の電源としても使えるなど、自動車メーカーも時代に合わせて、車に移動手段以上の付加価値を持たせようとしています。
自動運転車を巡っては、近い将来の実用化を目指して各社がしのぎを削っていますが、おもしろいのはGoogleのようなIT系企業が参入しているところです。
石油で走る自動車にはエンジンが必要ですが、この技術は資金力があっても簡単に真似できるものではありません。しかし電気自動車ならエンジンが要らないんですよね。原理的には電池で走るおもちゃの自動車と同じなので。
自動運転車にVisaが進めるクレジットカード不要の車載器が搭載されたとしたら、数年後には人工知能と自動運転技術を組み合わせた「無人タクシー」が世界中の都市を走り回るなんてことになりそうです。
技術の進歩で人間の寿命が伸びると同時に、これまで人間が担っていた仕事の多くが機械によって奪われていっており、このあたりは人間が幸せになれるように、きちんと折り合いをつけていかなくてはいけないですね。