公開年月日:2016年04月29日
熊本地震への募金を利用した詐欺サイトにご用心
熊本県を中心に大規模な地震が発生し、大きな被害が出ています。命を落としてしまった人達のご冥福をお祈りします。
多くの人達が地域の回復を願い、自分達にできることを真剣に考える中、いわゆる「火事場泥棒」の被害が報告されています。空き家を狙うもの以外に、詐欺サイトなどを立ち上げて善意の寄付を巻き上げるという悪質極まりない犯罪も横行しています。
2015年9月、初めてインターネットで回答を受け付ける国勢調査が行われましたが、本物そっくりのページが登場し即日削除されたことは、記憶に新しいのではないでしょうか。作成者はフィッシング詐欺の危険性を友人に伝えるために作成したと語っていますが、悪意があれば膨大な個人情報が流出し犯罪行為に利用される恐れがあり、決して許されることではありません。ここで重要なのは、基本的な知識があれば誰でも簡単に偽サイトを作ることができるという事実です。
サイバースペースでも震災を狙った犯罪が発生している
観測史上初めて、同地点で二度に渡って巨大な地震が発生した熊本県。最初の地震でゆるくなった地盤や、耐久性が低くなった建物を二度目の揺れが襲ったことにより、大きな被害が出ています。
建物の下敷きになるなど、地震発生時に命を落とした人や重傷を負った人の数は、地震の規模を考えれば少なめかもしれませんが、住宅の被害が大きく、避難生活によって体調を崩している人も多くいらっしゃいます。
早急にできる支援は、信頼できる先への募金です。私も微力ながら支援させてもらいました。しかしながら世の中には最悪な人間がいるもので、このような状況下、震災で被害を受けている家屋に侵入する空き巣が多く発生しています。
また、空き巣のような物理的な場所だけではなく、インターネットのようなサイバースペースにおいても、震災を狙った犯罪が発生しています。
詐欺サイトに誘導し、カード情報を抜き取る悪質なメール
インターネット上で横行している手口の1つに「標的型メール」と呼ばれるものがあります。不特定多数に送られる迷惑メールは、明らかに嘘とわかるものも多く、メールサービスによっては高い精度で検知して、自動的に迷惑メールフォルダに振り分けてくれます。
これに対して標的型メールは、対象を絞り込み、相手が信じ込みやすい内容になっているのが特徴です。例えば会社員に対して、あたかも関係者から送付された内容に見せかけたメールを送り、そこに記載されたウェブサイトに誘導するというようなやり方です。
よく読めばおかしいと気付けるような内容であっても、すぐには見抜けずに騙されてしまうのです。オレオレ詐欺なども、たびたびその手口がテレビや新聞で紹介されており、誰も自分が騙されるとは思っていないでしょう。にも関わらず、いまだに毎年、億単位の被害が発生し続けています。
サイバー犯罪ではクレジットカード情報が抜き取られることがあります。詐欺サイトに誘導し、そこで入力させるのです。
震災を狙ったものであれば、募金を装った偽のウェブサイトに誘導し、そこでカード番号を入力させるわけです。善意を利用した悪質極まりない方法ですが、このような犯罪は東日本大震災のときにも多く報告されました。
インターネットを利用する誰もが、サイバー犯罪の被害者になる可能性があります。パソコンにはアンチウイルスソフトを入れる、ソフトウェアは最新版に更新しておく、メールに記載されていたアドレスは極力直接クリックしないなど、悪質な犯罪に巻き込まれないように注意しましょう。