公開年月日:2015年10月24日
手ぶらでOK!手のひらをかざすだけで買い物できるシステムがJCBからリリース間近!?
富士通と富士通フロンテックによると、ジェーシービー(JCB)が手のひらの静脈認証を使ってカード決済を行うシステムを開発中とのことだ。
仕組みは簡単で、まずあらかじめ静脈情報とクレジットカード情報を登録しておく。そして商品購入時に手のひらを読み取り端末にかざすと、静脈情報に紐付いているクレジットカード情報を呼び出し、カードレスで決済するものだ。
従来であればクレジットカードで支払う際は当然クレジットカードが必要になる。しかし、今回開発中のシステムならばカードを持たずとも整脈認証だけで支払いが完了する。
自分の身体で決済できるので、クレジットカードを持ち運ぶ必要がなく、紛失や盗用のリスクを軽減できる。
静脈認証は精度が高く、既に導入事例もある
静脈認証は指紋認証に比べて認証精度が高いのも利点だ。最近は指紋認証が搭載されたスマートフォンが多く出回っており、その読み取り精度を実感している人は多いだろう。
現在の指紋認証では、指先に少しでも汚れや水分が付着していると読み取り不可になってしまう。
一方で静脈認証なら体内の静脈パターンで判断するので、皮膚の汚れなどの外的な影響を受けない。また、静脈は生涯に渡って変化が少なく、更に偽造の難度も高いので認証方式に適している。
静脈認証の技術自体は既に広く普及しており、2013年には奈良市環境部がタイムカードの代わりに静脈認証を実施したことで話題を呼んだ。
正式リリースは近い将来に行われる?
この手のひら決済システムは、世界各国で静脈認証製品の販売実績を持つ富士通、富士通フロンテックとJCBが共同で開発しており、既にある程度完成している。
また、JCBはこのシステムを2015年7月にJCB本社の社員食堂に導入しており、実証実験を行った。
今後は海外での実験や、クレジットカードだけでなくプリペイドカードなどを使った実験も行っていく予定とのことだ。
「手をかざすだけで買い物ができる」と聞くと遠い未来の話しのように感じるが、正式リリースはそう遠くない未来に行われるのかもしれない。
唯一心配なのは、あまりに簡単に決済できてしまうため、つい買い物をしすぎてしまいそうな点だ。
買い物の敷居が低くなると、欲しいときに何も考えずに買ってしまい、月々のカード利用料が膨らんでしまいそうだ。
便利になるのは嬉しいが、便利になりすぎるのもまた悩ましい。