カード偽造や詐欺の巧妙な手口と対策
更新年月日:2012年07月07日
こんなとき、カード情報が取られている
カードの情報は主に、カード番号と暗証番号、そして磁気情報です。これらを他人に知られると、不正使用などのトラブルが起こってしまいます。では、どんな場面で情報が取られているのでしょうか?
私たちのあずかり知らないところでカード情報は取られています。その代表例がスキミング。これは、会員番号や口座番号などの磁気データを、スキマーと呼ばれる読み取り装置で盗み取る行為。飲食店などでカード支払いをするとき、カードをCAT(Credit Authorization Terminal)端末に通した一瞬で、盗み取られてしまいます。
スキマーは年々、精巧化しており、最近ではカードに触れずにかざすだけでスキミングできる装置もあります。5秒ほど装置をカードにかざすだけでスキミングでき、特に満員電車でスキミングされたという報告例が多くあがっています。
その他、暗証番号を盗み見られるケースもあります。ATMやカード利用時などに、横や後ろから覗き見られるのが多い事例。本人は隠しているつもりでも、その道のプロから見ると指先の動きで分かってしまうようです。
もしも偽造や詐欺に遭ってしまったら
カードの偽造や詐欺に遭ったことを知るのは、大抵の場合、身に覚えのない請求が来たときでしょう。気が動転してしまいがちですが、そんなときこそ落ち着いて、以下のステップで迅速に対処しましょう。3段階のステップを踏んだ後で、カード会社に補償の手続きを取ることになります。
ステップ1 カード会社に連絡
とにもかくにもカード会社に連絡を。不正使用に遭ったことを伝え、まずはカードの利用停止を申し出ます。
ステップ2 警察に通報
カードが不正使用に遭ったことを警察にも通報します。このとき、その後にどうすれば良いのか教えてくれるので、忘れないようにメモを取りましょう。
ステップ3 被害届を提出
被害届を出さないことには補償は受けられません。被害届の提出先は、不正使用された額の支払いをおこなっている場合は自ら警察、支払っていない場合はカード会社です。実際に被害を被っている人が警察に届け出ることになるため、後者の場合はカード会社が警察に被害届を提出することになります。
カードを偽造や詐欺から守る方法
高性能なスキマーを使ったスキミング犯罪は、CAT端末に通す一瞬でカード情報を読み取られてしまうため、対策といっても難しいものがあります。しかし、例えば海外では、店員が「クレジットカードを確認させてくれ」と言ってレジの奥に持って行き、そこでカード情報を不正に読み取るというケースが多発しています。
こうした場面に遭遇したら、「目の前で処理をしてください」とお願いすることを忘れずに。また、レシートやカード伝票の控えはその場でしっかり確認し、帰国後も証拠としてきちんと保管しておきましょう。
昨今では、ICカードや写真付きICカードへの変更も推奨されています。ICカードは普通のカードよりもスキマーによる読み取りが難しいと言われています。同時に顔写真付きのカードにすれば、本人でなければ使うことができなくなります。
その他にも、高性能スキマーから読み取られるのを防ぐために、磁気を通さないハンドバッグや財布、パスケースなども市販されています。万全を期すために、そうしたグッズを使うのもひとつの手でしょう。
不正請求が証明されれば盗難保険が適用となるので一安心。しかし、カードの裏面に署名がなかったり、暗証番号を誕生日や車のナンバーなど見破られやすい番号に設定している場合などは、盗難保険の適用外となるので注意が必要です。十分な注意の上、安全なカードライフを送ってくださいね。