ここだけは押さえる!ワンワールドの基本
更新年月日:2013年09月5日
1999年設立。加盟航空会社数、年間旅客数ともにアライアンス(航空連動)の中で第3位。日本ではJALが加盟。日本に就航している8社が、日本と世界33都市を直行便で結び、さらに加盟12社が連携して世界156ヶ国、842都市へ就航している。南半球の南米、オセアニアでは路線網と利便性で他アライアンスを圧倒する。
名称 | ワンワールド | |
---|---|---|
公式サイト | http://ja.oneworld.com/ | |
設立年月日 | 1999年2月1日 | |
加盟 航空会社 |
航空会社数 | 12社 |
日本 | ||
アジア | ||
ヨーロッパ | ||
北中米 | ||
南米 | ||
アフリカ | ||
オセアニア |
※2013年09月03日時点の情報
ワンワールド・アライアンスの概要
他のアライアンスと比較して、南半球のオセアニアと南米で路路線網が厚い。オセアニアにはオーストラリアのフラッグキャリアであるカンタス航空が加盟しており、また南米にはラテンアメリカ最大級の規模を誇るラン航空が加盟しているためだ。ブラジル最大の航空会社TAM航空をラン航空が買収したため、TAM航空もスターアライアンスからワンワールドに移行予定だ。南米でのこのタッグは最強と言ってもいいだろう。
新たにランコロンビア航空・カタール航空・スリランカ航空・TAM航空が正式に加盟し、ワンワールドのネットワークは世界約150ヵ国、900都市を超えた。公式サイトのワンワールド・インタラクティブ・ネットワーク・マップで、世界に広がる路線網が見渡せる。
ワンワールドアライアンスとマイレージプログラム
既に加入しているマイレージの航空会社がワンワールド所属であれば、同アライアンスに加盟している別の航空会社フライトマイルも同じマイレージに加算することができる。同様に、貯めたマイルを特典航空券に交換する場合は、ワールドワイドの就航ネットワーク全体、つまり世界の約850の都市が対象となる。
日本ではJALが加盟しており、また同社のマイレージは、国際線・国内線のフライト利用でも、日常のショッピングでも貯めやすい。クレ達でJALを含むワンワールドに所属する各航空会社のマイレージと、マイルをもっとも貯めやすいカードを見つけて、世界中に広がるワンワールドネットワークを体験して楽しんでほしい。
また既存のマイレージプログラムの会員ステータスは、ワンワールドの会員ステータスにも反映させれる。ワンワールドには、「エメラルド」、「サファイア」、「ルビー」の3つのステータスがあり、個別に特典・サービスが用意されている。
ワンワールドの上級会員制度
前述の通り、ワンワールドアライアンス・マイレージ会員資格には、ルビー・サファイヤ・エメラルドの3種類があり、エメラルドがステータスとして最も高い。
会員ステーテスに紐づく特典としては、優先チェックイン、優先搭乗、座席優先指定、優先空席待ち、専用ラウンジ利用などがある。ステータスと特典利用の可否は、ワンワールドアライアンスの特典を確認してほしい。
エメラルドのみを対象とした特典には、超過手荷物規定(発券された航空券の手荷物許容量に加えてさらに1つ無料で預かり)や、 一部空港におけるセキュリティでの優先ライン利用などがある。ワンワールド加盟の航空会社であれば、そのマイレージの会員ステータスはワンワールドのマイレージに引き継がれる。ワンワールドではどのステータスなのか、共通会員資格の確認でチェックしてみるといいだろう。
世界のエリアごとに見るワンワールドの特徴
日本・アジア:設立メンバーのキャセイパシフィック航空の香港を拠点とした東南アジア各国へ幅広い路線に、2007年JAL(日本航空)が加盟して、より強化された。成田国際空港では加盟航空会社の再配置がおこなわれ、ワンワールドは第2旅客ターミナルビルに集約された。空港施設の共有化を強化している。キャセイパシフィック、JALに加えて、2013年に加盟したマレージア航空のアジア路線も強力だ。
また、ロイヤル・ヨルダン航空に加えて、2013年加盟を予定しているスリランカ航空が加盟すれば、インドやパキスタンなどの南アジア、サウジアラビア、ドバイなどの西アジア路線も拡張できる。同様に2013年加盟予定のカタール航空は、西アジア(中東)だけでなく、ヨーロッパとの路線も充実しているので、ワンワールド全体の就航都市もぐっと増えるだろう。
北中米:設立メンバーの1社であったカナディアン航空の倒産後、ワンワールドの北中米路線はアメリカン航空のみ支えていたが、北アメリカに4社を抱えるスターアライアンス、同じく2社を抱えるスカイチームと比べると部が悪く、相対的に脆弱であった。2009年のメキシカーナ航空の加盟で一時路線網が強化されたが、同社は2010年の倒産で運行停止、ふりだしに戻った。
アメリカン航空とUSエアウェイズの合併で、北米路線や米国拠点の国際路線も補強・拡張されると予想があるが、独占禁止法に抵触する可能性もあり、現在も不透明だ。
南米:南アメリカ全土に広大なネットワークをもつラン航空グループが加盟しているため、南アメリカは、まさにワンワールドの独壇場だ。スターアライアンス、スカイチームと比較して非常に充実していると言える。ラン航空が買収したTAM航空は、スターアライアンス脱退後、ワンワールドの加盟予定なので、南米路線の充実度には更に顕著な差がつくだろう。
ヨーロッパ:ブリティッシュ・エアウェイズ、イベリア航空、フィンランド航空、エア・ベルリンなど、ロンドン、マドリード、ヘルシンキ、ベルリンを拠点都市ヨーロッパの主要国をつなぐ幅広いネットワークをもつが、ヨーロッパ中央部を拠点とした航空会社がないのが弱点。
2010年にロシア第2位のS7航空が加盟し、ロシア国内や独立国家共同体 (CIS) ・東ヨーロッパ諸国の路線網が拡張された。ロシア方面へのキャリアを持たないスターアライアンスより有利だが、スカイチーム加盟のアエロフロートに比べるとアジア路線、ヨーロッパ路線で劣る。
アフリカ:ブリティッシュ・エアウェイズや、アフィリエイトメンバー(加盟航空会社に準じた扱いをうける子会社)としてコム・エア(南アフリカ) が路線を展開しているものの、エジプト航空、南アフリカ航空、エチオピア航空の3社を擁するスターアライアンス、ケニア航空を擁するスカイチームと比較すると、ネットワークはまだ小さい。
オセアニア:オセアニアで最大規模のネットワークを持つカンタス航空が加盟しているため、ネットワークは就航路線は充実している。オセアニアに加盟航空会社をもたないスカイチームに対してはもちろん、スターアライアンスに加盟するニュージーランド航空もオーストラリア国内線はもっていないので、ワンワールドが圧倒的に優位だ。
ワンワールドアライアンスに加盟する航空会社
エア・ベルリン:1978年の設立以降、ドイツで2番目に規模の大きい航空会社へと成長。40カ国、160以上の都市に就航している。ハブ空港はベルリン、デュッセルドルフ、パルマ・デ・マヨルカ、ウィーン。2012年にワンワールド加盟。
アメリカン航空:ダラスに本拠点を置く世界最大手のエアラインのひとつ。ダラス/フォートワース、シカゴ・オヘア、ロサンゼルス、マイアミ、およびニューヨークの JFK とラ・ガーディアの主要ハブ空港から、アジア、ヨーロッパ、中南米、及びアメリカ国内に縦横無尽の充実したネットワーク持つ。航空ラウンジ、マイレージプログラムを世界初導入。
ブリティッシュ・エアウェイズ:ロンドンを拠点とするイギリスのフラッグ・キャリアで、世界トップクラスの航空会社の一つ。ワンワールド・アライアンス創立当メンバーでもある。ハブ空港のロンドン・ヒースロー空港からは欧州はもちろん、北米、中南米、アフリカ、中東の約80カ国、170を超える都市に路線を展開している。
キャセイパシフィック航空:ワンワールド・アライアンス創立当時からの加盟航空会社。航空業界で栄誉である「エアライン・オブ・ザ・イヤー」を幾度と受賞していて名高い。充実した機内サービスやオンラインサービスには定評がある。3か国以上、約80都市にフライトを運航。
フィンランド航空:ヘルシンキを拠点にアジア、欧州、北米等の30カ国、60都市あまりに路線を展開するフィンランドのフラッグキャリア。アジアを発着地とする長距離国際線フライトを強化している。日本-フィンランド間を最速の9.5時間で結ぶ。歴史は古い。
イベリア航空:マドリードを本拠地とするスペインのフラッグキャリア。世界で最も古い航空会社の1つであり、南大西洋地域の代表的存在。45カ国、125以上の都市に就航。1999年にワンワールド加盟。
JAL(日本航空):1951年に設立された日本航空は、世界トップクラスの航空会社の一つ。、東京、大阪、名古屋を主要ハブ空港とし、アジアを中心に、北米、欧州、豪州など20カ国、約75都市へフライトを運航。2007年にワンワールド加盟。
ラン航空:ラテン・アメリカ最大級の規模を誇る航空会社の1つ。最も多くの賞を受賞し評価は高い。チリ、アルゼンチン、エクアドルおよびペルーをハブとし、北米、南米、ヨーロッパ、および太平洋地域の70を超える都市へ就航している。
マレーシア航空: 航空会社の評価機関であるSkytrax社により5つ星の評価を受けた、世界6 社のうちの1社で。同じくSkytrax 社から World’s Best Cabin Staff(世界で最も優れた客室乗務員)を持つ航空会社としても高く評価されている。2013年ワンワールド加盟。
カンタス航空:オーストラリアのフラッグキャリアであり、南半球最大手の航空会社でもある。ワンワールド・アライアンス創立当時から加盟。アジア、太平洋諸国、ヨーロッパ、北米、およびアフリカの70を超える都市へ就航。
ロイヤル・ヨルダン航空:中東地域におけるワンワールドの中心的メンバー。アンマンを拠点に中東、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、北米の約 40カ国、60都市に就航。2007年、ワンワールド加盟。
S7航空:1992年設立。ロシアの国内線運航で最大手の航空会社。ヨーロッパ、中東、およびアジアの20カ国、80以上の都市へフライトを運航。2010年ワンワールド加盟。
ワンワールドの今後について
引き続き、提携拡大していく方針だろう。フライトの就航が期待される重要な新興地域でのネットワーク強化と、世界有数の商業都市間を繋ぐ路線数増を前提として、質の高い航空会社を参加させていくことが同アライアンスの成長につながるだろう。今後ワンワールドに加盟予定の航空会社を簡単に紹介していく。
ランコロンビア航空:南アメリカに広大なネットワークをもつチリのフラッグキャリア、ラン航空の子会社。ワンワールド・アフェリエイトメンバーとして、加盟予定。24機の航空機を保有、3 か国23都市へ就航。同社の加盟でコロンビア18都市がワンワールドネットワークに追加される。
カタール航空:カタールのドーハを本拠地にする国営航空会社で、同国のフラッグキャリア。1993年の設立から急成長を遂げ、世界で最も評価の高い航空会社のひとつだ。2011年と2012年に、スカイトラックス社による「エアライン・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、同社の「ベスト・ミドルイースト・エアライン」を7年連続で受賞。Business Traveler USA 誌、Aviation Business 誌などで優秀な航空会社として取り上げられている。
中東やヨーロッパ、アフリカ、北米、南米、アジア、オーストラリアの世界70か国、約130都市へ就航。 同社の加盟で、ワンワールドの路線に3か国、15都市が新たに追加される。同時に、アジア-アフリカ間、アジア-ラテンアメリカ間のルートも開拓されるようだ。
スリランカ航空:1947年に創立でスリランカのフラッグキャリア。モルディブに就航している最大の国際航空会社でもある。21機の航空機を所有。コロンボを拠点都市、アジア、ヨーロッパ、中東の22カ国、34都市に就航。
TAM航空:ラン航空が買収した、ブラジル最大の航空会社 。スターアライアンスからワンワールドへ移行予定。161機の航空機を保有し、ラテンアメリカ、米国、ヨーロッパの16カ国、60 都市へ就航。同社の加盟により、ワンワールドネットワーク、35都市が追加される。 パラグアイにある同社子会社も、ワンワールドへ移行予定。
1997年に設立。世界で初めて設立されたアライアンスで、加盟航空会社数、年間搭乗数は最大を誇る。日本ではANAが加盟。就航路線は195カ国で、都市は1,300を超える。1日あたりのフライト数は約21,000以上。世界中に幅広く就航路線をもつが、特に「北中米」、「ヨーロッパ」、「アフリカ」のネットワークが厚く強い。
2000年設立。加盟航空会社は19社で、年間旅客社数ともにアライアンスの中で第2位。日本の航空会社は加盟していない。就航路線は世界178カ国、で1,000都市を超える。アジアで6社加盟しており、「アジア」中華圏での路線占有率は、他アライアンスと比べて群を抜いている。ヨーロッパも7社が加盟しており、その路線網は厚く強い。